インタビュー1回目ではGlide Path株式会社の強みについて、2回目には実際のお客様からの問い合わせから契約までの流れをお聞きしました。今回3回目は、具体的なプロジェクトの進め方についてお伺いしたいと思います。
(インタビュー・記事:間藤まりの)
目的の整理と関係者での共通認識構築
Q:ここからはより具体的なプロジェクトの進め方をお伺いさせていただきます。まず、週1回の相談ミーティングではどのようなことを?
基本的に、ミーティングのアジェンダはお客様から出していただきます。
実例企業様の場合は、中長期的な会社の方向性と各商品の役割、商品の価格設定、営業訪問チェック、チャネル戦略や展示会準備など、毎回のテーマは多岐に渡りました。
役員の方とは中長期の戦略や商品戦略の戦略レベルの相談を受け、担当者の方からは、今やろうとしている内容について相談を受けます。後者は簡単に言うと、事業会社の部下から上司に相談を持ち掛けるような問答に近いです。(私は幸いにもサラリーマン時代、上司のコーチングによって著しく成果を出せるようになりましたし、成長できました。そんな経験をクライアント様にもしていただきたいと考えています。その上司が今は、Glide Pathの課題解決パートナーなのが、ご縁を感じます。)
大企業は別ですが、常にその業務に精通した人物が部下を指導するパターンは稀です。担当者の担う業務範囲は広く、初めての業務も多々あり、誰かに相談しながら進められたら心強いと思うものではないでしょうか?私自身、実務を担当しているときはそうでした。
わかりやすい事例をいくつかお話しさせてください。
まずは営業担当者から、「初回商談ミーティングでの顧客ヒアリングリストの確認をお願いしたい」という相談があった時です。その資料にはお客様から聞き出したい内容が盛りだくさん書かれていました。下記は、説明を受けたあとのやりとりです。
向井(M):今回の商談の目的は何ですか
営業担当者(Sales):受注確度、商品購入量、設置場所などが受注につながるどうかと、どれくらいの規模であるかを聞くことです
M:では、お客様と会った際、最初に何をされますか?このリストに沿って質問していきますか
Sales:いえ。挨拶、名刺交換を済ませたあと、商品カタログを渡し商品の説明をし、商品動画を見てもらい、実際のデモを行います。そのあとに質疑応答という流れです
M:商品を説明で多くの時間を使っていますよね、どうしてですか
Sales:商品の良さを理解してもらうためです
M:そうですよね、まず商品を理解してもらわないといけないですよね。こちらから聞くというよりかはお客様に理解してもらうことが重要ですよね
Sales:あっ、なるほど
M:商談も1時間程度ですよね。商品をこちらから説明をして、お客様から質問を受けて理解を深めてもらうことが重要な目的ですよね。そして、興味を持っていただいたお客さんに、「見積書」を次回ご用意する。それに合う質問をしていけばよいですよね
Sales:確かにそうですね。そうすると、これだけも聞く必要ないですね。しかも聞く時間もなさそうです。もう一度質問を絞り込んでみます
このように初回商談時にやることが明確になると、その前のアポイントの段階でやるべきことや商談後にやるべきことも見えてきます。そして、実際にお客様のところで実践したあと、この営業フローがどうだったかを振り返る時間を設けます。PDCAサイクルでプロセスを精錬させ、営業担当者のスキルをどんどん向上させていきます。
もうひとつの事例は、お客様からいただいたコメントを活用した商品開発や商品の改良についてです。
実例企業様では、営業報告書は社内誰もが見られるクラウドにアップされるのですが、見る人と見ない人がいるのはもちろんのこと、文字情報で共有されているだけで、その背景にある理由は書かれていないケースもあります。そんな状況では新商品開発や商品の改善に結び付けることは難しいと考え、当該商品の関係者全員で3時間のワークショップを実施いたしました。
実際に顔を見て話すことで、例えば「褒められた」の背景にあるお客様の声を拾えます。またワークショップは「相手を非難しないところ」が良いところです。一旦受け止めてもらえるという安心感が、話しやすさを生み出し、営業と技術、上司と部下、立場の違う人同士が混ざり合って、ひとつのテーマについて共通認識が持つことができ、以降、対応策を議論する際も関係者間で共通認識があるがゆえに、話が早く進められます。
普段無口な研究者も、ワークショップで自身の発表になると饒舌になることがよくあり、その発言から周りの方々が意外な気付きを得る場面も多々あります。
このように、相談される内容によって、その対応や進め方も柔軟に変えています。
様々な視点でのフィードバックと潤滑油
Q:実感として実例企業様からあげられる声には、どのようなものがありますか?
- 経験してきたからこそ机上の空論ではなく「どうやっていくのか」という部分に突っ込んでお話ができる
- つい目先のことに捉われて考えてしまうが、経営者視点、お客様視点、株主視点で質問してくれるので、目的の是正などしてもらえる
- 迷った時に背中を押してくれる
特に、
- 担当者から、現場の課題を課題として経営陣に伝えてくれる
- 経営者から、経営判断に迷った時に相談でき、助け舟を出してもらえる
と言った声は、潤滑油の役割を担うコンサルタント冥利に尽きるところです。
進める上で、特に大切にしているのは下記の3点。
- しっかり話を伺いながら悩みの根本を探す
- 経営の視点や現場の視点、事業に関わる様々な視点からのフィードバックを行う
- 決断のための選択理由を引き出し、選択に自信をもってもらう。迷っている決定を後押しする
事実ベースで現状を見ること、向かうべき方向や進むスピードがおかしくなりそうな時は是正すること、そして何より前に進め、きっちり着地することを意識して支援しています。
Q:支援をしていく中で、依頼を受けるスコープが変更になることもありそうですが、いかがでしょうか?
もちろんOKです。実例企業様でも、新商品の販売方針が見えてきたところで中期的な戦略を作りたいと経営者からオーダーが追加されました。個々が成長し始め、商品の位置付けが決まったことで、企業戦略に織り込んでいく段階がきたのです。この時は現場のフォローと合わせて新たに戦略作りにも着手し、組織変革も行い戦略立案を支援いたしました。
Q:成果や成長の実感が得られ始めるまでの期間はどのくらいでしょうか?
今回の事例では、3か月以内に大手の新規顧客から受注を取ることができましたが、本来は実際に業務がスムーズに回り、担当者が成長する(自走できる)ことを目的としておりますので、半年くらいで成果が現れるように思います。 それぞれの企業様によって、抱える問題や課題、目指す姿は異なります。御社の状況に応じ、中に入って動かす力、進める力を強化したいと思った際には是非、Glide Pathにお声掛けください。様々な視点と経験を兼ね揃えたスタッフが対応させていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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